個人的な偏りに満ちた観劇記を中心とした私的日常雑記です。「俳優 畠中洋さん」を熱烈応援中〜!
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1/15 ボニー&クライド
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    Musical [BONNIE & CLYDE」

    2012年1月15日(日) 13:00開演 青山劇場
    1階G列上手ブロック  同行者: ダンナ

    作 : アイヴァン・メンチェル
    作曲 : フランク・ワイルドホーン
    作詞 : ドン・ブラック

    <出演者>
    ボニー: 濱田めぐみ 
    クライド: 田代万里生 
    バック(クライドの兄): 岡田浩暉 
    ブランチ(バックの妻): 白羽ゆり 
    テッド(ボニーの幼馴染の保安官): 藤岡正明 
    エマ(ボニー母): 池田有希子 
    シュミット保安官: 木場勝己 
    バド保安官代理: 戸井勝海 
    ヘンリー(クライド父): 中山昇 
    キャミー(クライド母): 明星真由美 
    ヘイマー特別捜査官: 岸祐二 
    牧師:  つのだ☆ひろ    他


     

    「これが初濱田さん!」とか言っていたらその前にMMSでお目にかかってしまったものの、やはりミュージカル俳優は舞台の上で役を生きているところを見てこそ、と実感。
    コンサートの時より全然いい! 若々しく、力強く、可愛らしく、そしてあの歌声! 声質はすごく好みだし、声量もすばらしいんだけど、そういうことじゃなくて「心を掴まれる」ような歌唱力だった。
     
    万里生くんは、ワルぶってもお育ちが良さそうにしか見えないのが残念なんだけど、まあそれが彼の魅力なので仕方ないかなあ、と。 彼の美声には合わない歌唱法の部分もあるけど、それでもやっぱりいい声だ!! 

    脚本はちょっとねえ…いくら有名な映画が下敷きとは言え、整理されてない気がする。 
    前半はスピード感がないし、後半は逆に時間は経過しているみたいなのに、シーンの切り貼り切り貼りでその流れが見えない。 
    え?もうそんなに銀行襲ったの?いつ武器庫を襲ったの?とか、そこらへんは全部保安官の会話だけで繋ぐんかい!とツッコミたくなった。

    二人の行動には全く共感できないけど、まあそれは「そういう時代だった」というやつなので仕方ない。
    日本だって鼠小僧や石川五右衛門が庶民の人気を集めたわけだし。 
    ボニーとクライドは義賊じゃないけど、ドン底から這い上がれない、先の見えない時代に、「お上」に対する反逆者として肩入れしたくもなるんでしょう。
    だけど…そこには世間を良くしようという思想もなく(もちろんそんな思想を持たなきゃいけないわけじゃないけどね)、ただただあまりに自分勝手で刹那的過ぎて、なんだかなーって思っちゃうのよね。

    強盗に成り果てた姿も、恋愛に燃え上がる姿も、今ひとつ表面的にしか書かれていないからかなあ。2人の役者がどうこうではなく、あくまでも脚本への不満。

    逆に、バックとブランチの会話から世相が浮かび上がってくるのが面白かった。 
    とにかく兄弟で力を合わせて(!)どこかを襲ってお金を手に入れて新しい生活を始めることが夢!という発想には道徳から外れることへの後ろめたさは皆無。
    悪いことをしても新聞の一面に載るのが誇らしいという喜び方には「へーーー!」だったなあ。 
    日本では「いいことをしても新聞に載らないけど、悪いことをしたらすぐ大きく載れちゃうぞ」的な小噺があるけど、それは「そんなことで世間に知られたくないよね、そんなことになったら大変だよね」という共通認識のもとに成り立つわけで、まさに日本人とは感覚が違う。 ま、今は世間を騒がせたいだけの愉快犯とかもいるけど。
    そして開拓時代のマッチョ思想が根底にあるので、自分の力で妻子を養えないのは男として耐えられない。ブランチのように、愛する夫さえいれば生活に何も足りないものはない、と言い切ってくれる敬虔なクリスチャンの妻がいても、それは彼の安らぎにはならない。どこかで一山当てたい、当てられるはずだ、というアメリカンドリームがどうしても捨てられない。
    クライドほどワルになりきれないバックだからこそ、何だかその気持ちが切実に伝わってくる。 
    ブランチも諦めてバックなんか見捨てればいいのに、自分が彼を救えるはずという幻想に捉われていて、結局道を踏み外す。 
    この二人の会話はどれもすごく練られているな、と感心。 ちょっと情けない付和雷同型のバック=岡田くん、貧しくても愛する人と神に恥じない生活をしたいと願う美しい妻=白羽さんがとにかくキャラにハマっている! 

    あとはねー、木場保安のさすがの安定感とか、戸井さんが車から転がり落ちるところが冷や冷やしたとか、岸さんの使い方もったいなーいとか、藤原テッドの田舎臭いキャラがいいなあ…でも絶対ボニーに選ばれないよねとか、ヴェローナ大公中山さんをもっと大切に使ってよねとか、あの場違いな牧師さんは何ですか?とか、まあ色々。(笑)

    そうそう、犯罪者の家族に対する配慮というか、日本みたいに「親の責任だ」的追及や捜査がされていないように見えたところは(現実かどうかはともかく)唯一の救いだった。


    もう一回見るので、今度はセンターブロックで今回の欲求不満を晴らしてくるっ!

    *今回の席(46番)ははっきり言って「見切り席」で、主役の表情も見えないことがしばしば。チケットの売れ行きは良好じゃないからこそ、後出しジャンケンのように人気公演との抱き合わせとか特典付きチケットとかやっているくせに、この席が先行予約のS席値段とはファンを馬鹿にしている。まずは代替席の提示があってしかるべきだったと思う。 と、現在ホリプロに抗議中。

    Posted by : chawan | 観る | 05:53 | comments(4) | trackbacks(0) | - | - |
    コメント
    わーい、chawanさんの感想だーい。至極もっともー(苦笑)
    そもそも実在のモデル有りのこの題材自体が、今の日本に馴染まないよなーと思ってしまうんですよね。
    万里生くんがイベントで言ってたんですけど、この時代のアメリカでは警察が悪だったんだそうです。汚職とか。だから、警察からまんまと逃げたり、出し抜いたりする悪党が持て囃されたんだという時代背景があるらしく。
    それならそうとババーンとストレートにそういう説明あれば良いのに!と、見ながら結構歯がゆかったです。(それこそ、謎な神父さんをカットして、そういうシーンを入れて欲しい〜!)
    ……と、なんだかんだ言いつつ、頑張って通う私です(笑)
    カップル二組と、音楽と、キャストの頑張りを見届けまーす。

    そしてそして!あの席の見切れっぷり(というか、あのスピーカー配置!)は、本当に如何なものか、でしたね。改善して欲しいです。
    | きひろ | 2012/01/17 11:30 AM |

    あれれ、平日に行ったらサイドブロックは黒幕がかかってました てっきり発売してないのかと思ってました 日曜だったから売り出したのかな?
    リピート半額にはアングリーですね
    次回リベンジしてください
    | まほちち | 2012/01/17 5:28 PM |

    >きひろさん
    いらっしゃいませ!きひろさんの熱い感想にも触発されて、溜めずに書きました。(笑) 
    色々突っ込みどころはありますが、やっぱり面白かったんです! 
    「警察が悪」と言っても、実際の舞台では木場さんがお上手過ぎて「頼もしい保安官」にしか見えなかったので…(^^;
    時代背景手抜きしないで欲しいですね。
    個人的には、宝塚時代から好きだった白羽さんの活躍がかなり嬉しいです。
    シェルブール見てないし、退団後初だったかも!
    | chawan | 2012/01/18 12:59 AM |

    >まほちちさん! お久しぶりです!
    あまりにブランクが長かったので、まさかまた来ていただけるとはびっくりしましたー。ありがとうございます!
    実は昨年本多劇場でお見かけしました。うるるさんにあん巻渡していらしたとき、お隣にいたんです〜。
    あっと言う間だったのでご挨拶できずに失礼しました。
    サイドブロック、2列分は黒布でした。私はその隣になりますが、「ここにも黒布かけとけー!」状態でした。
    本当に後から半額にするなら最初からチケット全体を安くしてほしいです。 見たいからこそ先に手配する人間が馬鹿をみるなんて…ねえ?
    | chawan | 2012/01/18 1:03 AM |










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