個人的な偏りに満ちた観劇記を中心とした私的日常雑記です。「俳優 畠中洋さん」を熱烈応援中〜!
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6/14 サロメ
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     サロメ


    2012年6月14日(木)19:00開演 新国立劇場中ホール
    15列センターブロック 同行者: 友人K

    作 オスカー・ワイルド
    翻訳 平野啓一郎
    演出 宮本亜門

    <出演者>
    サロメ(ヘロディアの娘)/多部未華子
    ヨカナーン(預言者)/成河
    ヘロディア(ヘロデの妻)/麻実れい
    ヘロデ・アンディパス(ユダヤの四分領王)/奥田瑛二

    若いシリア人/山口馬木也
    ティゲリヌス/森岡 豊
    カッパドキア人/櫻井章喜
    ヌビア人/植本 潤
    第一の兵/池下重大
    第二の兵/谷田 歩
    ヘロディアの近習/内藤大希 
    ナーマン/星智也  他

    新国立の天井の高さを生かしたすごいセットだった。
    地下牢と宮殿のテラスとの二層構造で、さらに天井には斜めにセットされた大きな鏡。
    宮殿のテラスはソファもテーブルもスツールもすべて白に統一されテレビモニタなんかもあって現代風の味付け。

    真っ白な床に血が流れるときに、上にセットされた鏡が威力を発揮する。
    床なら客席の角度によってはそんなに見えないのに、この鏡には禍々しく広がっていく真っ赤な血が映る。
    亜門さんのこだわりの美学が、広い空間を満たしていた。(比較するものじゃないけど、某P劇場での「Sunday〜」は、舞台の規模と彼の美学がマッチしてなくて、無理やりな八百屋舞台も妙にちゃちに見えちゃったんだよねえ…)

    サロメが無邪気な少女という設定になっていることは、どこかの番宣で亜門さんが話していたのを聞いていた。でもちょっと私の想像とは違ってた。中身も言動も無邪気な少女で、外側はもう少し妖艶なのかなーって。もしくは無意識に醸し出す雰囲気に女そのものが覗くのかな、とか。

    多部さん、頑張ってるけどそもそも「美しい娘」に見えない。(好みの問題?) 「細くてかわいいわねー」のレベルで、「美しい!」とは違う。
    「王が私のことをずっと見ている!」と言われても「なんで?」って思っちゃって…。(だって麻実れい様が奥様なのに?)
    若いシリア人が「なんて美しい姫なんだ!」と魂抜かれてるのも、そうかなあ?って。 

    彼女の演技は、人と絡むところより、1人で演じている方が断然いい!
    最後の首を抱えての独白シーンはお見事。王たちが騒いでいる部屋の隅で、ヨカナーンを想って横たわっている時の表情もいい。
    一転、傲慢かつ毅然と命令するところなんかは、声のトーンもくしゃっとしかめる顔も、駄々っ子に近い。
    それが演出の意図なのかも知れないけど、王が翻弄されるような種類の魅力が見当たらない。ものすごく失礼を承知で言うと、これはやはりもっと「わかりやすい美少女」に振る役では?

    麻実れいさんほど一癖ある女王系が似合う女優さんはいないっ!あの目つき、高貴で物憂い身のこなし、ハスキーな声の色っぽさはどうよ!
    彼女が出てくると周囲が霞む。そう、サロメと並ぶとサロメはただの幼児性むき出しの少女に見えてしまう。お母様のライバルたりえませんって!
    王がどんなになだめすかしても「ヨカナーンの首をちょうだい!」と言い放つサロメに駄々っ子しか感じられず微妙にイラっとくるんだけど、その度にヘロディアが喜ぶので、思わず「そーだそーだ、首持って来〜い!」と賛同していた私。

    ヘロデ王が奥田瑛二さん!舞台で見たことなかったので、「あのダボダボなスーツを着てチャラチャラしていたお兄ちゃんがね〜」と感慨深い。懐かしい。
    色々なものを手に入れてしまったからこそ守りに入ってしまった、小物な感じの王様が似合っていた。1人白塗りのメイクも、バカ殿っぽくていい。

    ソンハさんのヨカナーンは声が最高。 人たらしなのに人を寄せ付けないような声。

    奴隷のナーマン、すごいガタイの人だなあと思ったら星さんだったのね! 一言もしゃべらないけど雄弁な肉体美っ!

    一番印象に残ったシーンは、ヨカナーンの首にキスしながら血の海で転がるサロメと、それを見つめるヘロディアのシルエットが浮かび上がっていたところ。あそこにヘロディアのシルエットがあるだけで何とも締まる!
    血の海に一つ取り残されたような白い真四角のソファー、飛び散ったマスカットの緑の粒。ぞわぞわする美しさだった。

    ちなみに終演後に亜門さんのアフタートークがあったんだけど失礼してしまった。 だってお芝居1時間40分で、アフタートーク1時間って…どんだけしゃべるの??(笑)

     
    Posted by : chawan | 観る | 02:07 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
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