個人的な偏りに満ちた観劇記を中心とした私的日常雑記です。「俳優 畠中洋さん」を熱烈応援中〜!
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9/4〜9/9「テキサスブロンコをぶっ飛ばせ!!」
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    見上げたボーイズ プロデュース第9弾
    「テキサスブロンコをぶっ飛ばせ!!」


    <作・演出> 川本昭彦

    <出演>
    見上げたボーイズ:幸村吉也 縄田晋 平野亙 福永吉洋 川本昭彦
    <スペシャルゲスト>
    畠中洋 今拓哉 デビット・チャップマン 
     
    柴崎咲子 武者真由 碓井英司 藤村容子 彩海早矢 三辻香織 秋山秀樹 
    吉田雄 市川葵 坂元梨香 東野行恭 中村純也 牧野亜希子 白井諒子
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    書きたいネタがたくさんある時ほど観劇三昧で時間に余裕がなく、ブログは放置…というわかりやすく綺麗な流れにはまって早3ヶ月。
    とにかくこれだけは書いておかねばー!

     
    自分で書いておいてなんだけど、あらすじ簡単に紹介しようとして滑っているのがこちら

    何しろちゃんと書こうとするとジョークを一つ一つ解説するようなもので白けちゃうし、かと言って本当にざっくり概要だけ書いたら面白さが伝わらないし、難しい。
    しかも一応報告のつもりで書こうとするから文章を崩しきれず、奥歯にものの挟まったような感じになってしまった。
    独断と偏見だけで好き勝手書くのとは勝手が違うとは言え…反省。

    ということであらすじは今更なので8公演中6公演通ってのややオタク的感想だけ。

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    リピートする度に細部にこだわったマニアックなセリフ、言葉の選び方とかナンセンス加減がじわじわっときた。

    「ゴールドマン」本編の馬鹿馬鹿しさと、キャストの奇抜な衣装の衝撃、シーンの繰り返しによる大掛かりなコント的な構成の面白さでとにかく大笑い。
    ここが何も考えずに笑っていられただけに、後半の即興劇に入ってからの展開がちょっと…。お笑いのまま行くかと思ったらプロデューサーがマジ切れしてるし、綾小路(今さん)は付き人怒鳴りつけてるし、そのたびに「ええええ?そこを現実路線にしちゃったらどうしたらいいの?」と。 
    どうやってオチが付くのか観客の分際でヒヤヒヤした。
    だからキツネさんが死に際(?)にクマさんに向かって「おまえは生きて、この芝居のオチを考えろ」と言ってくれたときは逆に安心したぐらい。 
    そうだよね、このままじゃ困るっていうのは全員の共通認識だよね…と。(笑) 
    ちなみに死んでしまったキツネさんを「おい!ダメだ、お前は死ぬな」と揺するクマさんの揺すり方とキツネさんの揺すられ方が日に日に激しくなって、人形のように床にばしばしと打ち付けられるところが客席の笑いを取るポイントのひとつになっていった。

    それにしても畠中さん、キツネの役とは聞いていたけど、まさかここまでの扮装とは! 
    キツネの「顔」は実は頭にかぶっているので、畠中さんの顔は本当は「首」の部分にあたる。 なのでシンプルに白塗りも試したらしいけど…さすがに変とのことで、あのような日本のキツネのお面を参考にしたようなメイクになったとのこと。 
    最後にメイクを落として私服で現れるシーンがあって本当によかったぁぁぁぁ。(心の底からの叫び)

    なまじキツネなだけに、何をするにも無駄に飛び跳ねている。何歩か移動するだけでも、いちいちぴょんぴょーーん!って跳ねている。(笑) あの着ぐるみでこの運動量では、痩せちゃうのも仕方ないでしょうね。千穐楽のご挨拶では川本さんに「初日はもう少しふっくらしていたんですが」と紹介され、「今、脱いだら難民です」と答えてましたよ…早く回復されますように!

    なんでもかんでも海外から持ってくる今の日本のミュージカルのあり方、四季的・宝塚的「センター芝居」の不自然さ、人気タレントをとりあえず主演にして客寄せする安易な姿勢…そこをこれでもかと突いてくる皮肉の利かせ方が、ミュージカルファンには面白い。

    芝居の中に盛り込まれておちょくられていたのは「ライオンキング」「レ・ミゼラブル」「三銃士」「ジーザス・クライスト・スーパースター」「エビータ」「テニスの王子様」「ダンス・オブ・ヴァンパイア」。 ざっくり気付いただけなので本当はもっとあるのかも。

    いくら四季をほとんど見ない私でもオープニングが思いっきりライオンキングのパロディなのはわかる。 
    あの狭い客席通路を通って登場するサイとカバ…。体は唐草模様の布で、まるでちゃちな獅子舞。
    ところがサイの鼻の角が出たり引っ込んだりと可動式になっている。ここは友人たちともめちゃくちゃウケた。
    そもそもサイの角は動かなくていいのに、その動く必要のないサイの角を動かすナンセンスなこだわりがいいっ!

    そしてあの歌詞はいったいなんなんだろう…。
    「♪ここは足柄 神奈川県。ちょっと踏み出しゃ愛知県」って。
    「足柄山」という地名がが金太郎からきているのはともかく、なぜ愛知?なぜそっちに飛ぶかな。そして続いて
    「♪ここは足柄 神奈川県。 ホントの隣は静岡県」
    ええ、知ってます、誰でも。(笑) 

    これって有名なミュージカルの歌詞だってこの程度のことしか言ってないよというメッセージなのか、と深読みしたくなる。
    いや…そもそも「ブロードウェイミュージカル」であるはずの「The Gold Man」のくだらなさすべてが、現状への皮肉ってこと? ただのナンセンスギャグなの? 川本さんに聞きたくてたまらない。 

    演出家がアンサンブルに手を出している(ほぼセクハラ)ところ…しかも演出家の名前が「ジョン」!
    そーよねー。そういう経緯でファンティーヌになった人、いたもんねえ、とレミオタとしては思うところ十分あり。

    主役の綾小路に惹かれているヒロインに向かってタヌキが叫ぶセリフ
    「左右90度しか動かない、歌っているときもただ立っているだけ。あれで役者って言えるのか?」は、ほぼ特定の人を指しちゃうんだけど、これも初日はここまで露骨ではなかったような…。
    左右90度しか動かない」は言ってなかったよね?だってあれはまさに個人を特定するキーワードでしょう?(爆笑) 

    そしてここで彼をかばうヒロインのセリフ
    「ルックス、声、オーラ、どれを取ってもあなたより上よ!」 
    そう、その通り!だけど決して「演技」に関してかばっていないあたりがニクい。

    今さんの美声とキツネとクマの熱い芝居は、喩えは悪いけど100ワットの白熱灯(←LEDではない)でトイレの隅々まで照らしているかのような無駄遣い感があって、もはやSFなんじゃないかというレベルで変。(褒め言葉)

    今さん、ジャベールの「STARS」ばりに真剣に「♪わったしは あしがーらやーまのー きん・きん・きんたろおーーーー♪」って歌うんだもん。見た目のインパクトとの相乗効果で殺傷力MAX。金太郎の姿でそんな素晴らしすぎる美声を響かせなくたって!

    今さんにこんなことをやらせる川本さんもすごいけど、受けた今さんもすごい。
    だって所属事務所はあの方と同じだし、何よりジャベールやってた今さんが…いいの?
    (千穐楽のご挨拶では、むかしから見上げたボーイズのファンで毎公演見に来ていて、今さん本人がいつか出たかったとのこと。「縁あって出演できたのがこの作品でした…」には笑ったけどね)

    キツネとクマの着ぐるみを着て場違いなまでにガチンコでマジな熱い芝居を繰り広げる畠中さんと幸村さん。
    この二人はなんだか芝居の根っこが似ている感じ。熱さの種類みたいなものが。
    だから二人が同じ劇団で日本の演劇界を変えようとしていた、という設定が妙に説得力あった。
    同じように挫折したのに、今でも夢を語る吉田よしおと、夢を封印して現実と折り合いをつけて生きている田所。どっちも好きだなあ。

    ちなみに田所が「俺は今カミさんと子供がいるんだ」と言ったら吉田が「知ってるよ。ナオコだろ」って答えるんだけど、これ初日は「ぷー子」だった。
    たぶん木曜日もぷー子だったと思う。金曜日にはナオコになってた。
    「ぷー子」っていかにも劇団内でくっついた感じでよかったのになんで変えたんでしょ? 

    幸村さん、カッコよかった! 
    前々回の見上げたボーイズ「五人衆」再演は見てたんだけど、その時にはこんなにステキな方とはまったく気づいていなくてすみませんでした!って感じ。
    声も歌も芝居も素敵だし、なによりあの身のこなし!(誰とは言わないけど今回クマさんによろめいていた人を私は知っている。) 
    熱く「俺についてこい」的なところもよかったけど、私が一番好きだったのは即興劇の最中にタヌキがヒロインにプロポーズ始めちゃってどう繋いだものかと周囲があわてる中、刀の鯉口でリズムを刻みだすところ。
    「こ、これで行こうぜ」的にキツネさんと目を合わせるところもかわいい。 

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    と、本当に思い出すままに書いているとキリがないのでおしまい。

    これだけの大所帯を使って、見上げたボーイズが言いたかったことはよくわかる。
    「本物って何なのか」 
    でも、興行として成り立たないとそんな問いかけすらできないわけで、お金のかかった大きな舞台が観客を掘り起こしていることも事実。
    皮肉だけじゃなくて、そういうどうしようもない部分も含めての芝居への愛、芝居を愛する人達への愛が根底にあるから、面白くて切なかった。
    「今日一歩を踏み出す勇気を持てば未来は必ず変わる」…逆に言えば踏み出さない限りは何も変えられない。 
    そもそも見上げたボーイズが5人で活動を始めたことがその一歩目だったんだと思うし、それが今回こんなに大掛かりな芝居を作ったという次の一歩(一段?)に繋がって、より多くの観客を動員していつもより多くの人に何かを伝えたってことでしょ?
    うーん、やっぱり「自分が」動かないとね!って守りに入りがちになっている自分を反省したりなんかもした。(笑)

    それにしても畠中さんがこんなにがっつり活躍するところを毎日間近で見られて幸せな日々だった〜!(やっぱりそこか!)

    川本さん、ありがとうございました。 見上げたボーイズの今後のご活躍を心から応援しております!
    まずはこの作品のDVD化実現、よろしくお願いしますねっ!
    Posted by : chawan | 観る | 03:26 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
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